【ケアマネ試験対策3】保険者について、わかりやすく解説!

この記事では、介護保険制度における「保険者市町村)の役割」について紹介していきます。

しょう

介護保険制度を理解するうえでは、保険者がどのような役割を担っているかを理解することは特に重要です!

そもそも保険者とは?という基本的なところからみていきましょう!

保険者ってそもそも何?

保険者とは、事業を運営する主体のことをいい、介護保険制度における保険者は、市町村及び特別区(東京23区のことを指します。

なお、被保険者が少ない小規模の市町村では、いくつかの市町村で広域連合を設けて事業を運営していることもあります。

本稿では、保険者=市町村として説明していきます。

保険者の主な事務

保険者には、さまざまな役割がありますが、まずは「住民にとっての身近な窓口」として大まかに理解しておきましょう。

保険者のおもな役割は、以下のとおりです。

保険者のおもな役割
  • 被保険者の資格管理に関すること
  • 介護認定に関すること
  • 保険給付に関すること
  • サービス提供事業者、施設に関すること
  • 地域支援事業、保険福祉事業に関すること
  • 介護保険事業計画に関すること
  • 保険料に関すること
  • 財政に関すること

保険者の役割は、このようにたくさんありますので、文字として理解するのは非常に大変です。

このため、被保険者が介護保険制度を利用するために、市町村の窓口に行った際の手続きをしている状況をイメージすると細かい内容が理解しやすくなります。

介護保険制度を利用するには、「要介護認定あるいは、要支援認定」を受ける必要があります。まずは、認定調査を行いましょう。

このように、被保険者が介護保険制度を利用するためには、要介護認定あるいは、要支援認定を受ける必要があります。

要介護認定あるいは、要支援認定を判定するために、被保険者のお宅などを訪問し認定調査を行うのは、おもに市町村の職員であり、被保険者に対して判定結果を通知するのも保険者なのです。

なお、保険者は認定調査を行いますが、認定調査の結果をもとに介護状態の判定を行うのは、介護認定審査会という市町村の附属機関になります。

この介護認定審査会を設置するのは、保険者の役割ですので、しっかりと押さえておきましょう。

ポイント

認定調査 → おもに市町村職員

介護状態の判定 → 介護認定審査会

結果の通知 → 市町村

そして、介護認定がなされた被保険者に対して、被保険証を発行したり、その台帳を管理し、被保険者証の内容に変更があれば、更新や停止などの事務も行います。

また、保険者は、被保険者に対して保険料の徴収や、保険料の滞納者に対する措置なども行います。

ここまでは、窓口をイメージすると理解しやすかったのではないでしょうか。

ここからは、

地域支援事業及び、保険福祉事業の運営

保険者は、住民にとっての窓口だけでなく、地域支援事業や保険福祉事業として、地域住民の予防や健康の保持増進を行っています。

この地域支援事業の運営を行う主体が、地域包括支援センターなのです。

地域包括支援センターを設置するのは、保険者あるいは、保険者から委託を受けた法人などになります。

保険給付に関すること

介護報酬の審査、支払いを行います。

しかし、介護報酬の審査支払いについては、複雑な事務処理が必要となるため、多くの市町村がこの業務を国民健康保険団体連合会という専門の機関に委託をしています。

また、保険給付に関する市町村の事務として、区分支給限度基準額の上乗せ部分の設定、種類支給限度基準額の設定があります。

また、市町村特別給付の実施も行います。これは、保険給付によるサービスに加えて、市町村が独自に提供するサービスのことです。

サービス提供事業者、施設に関すること

介護保険制度において、サービス提供事業所が提供するサービスが保険適用とされるためには、都道府県知事や市町村長からの指定を受けることが必要となります。

都道府県知事、市町村長のどちらが指定を行うのかは、サービスの種類ごとに定められています。

市町村が指定を行うのは、以下のとおりです。

・指定居宅介護支援事業所

・指定介護予防支援事業所

・指定地域密着型サービス事業所

・指定地域密着型介護予防サービス事業所

本稿では、「市町村は、ケアマネ事業所、地域密着型サービス事業所を指定を行う」とだけ理解しておくだけで問題ありません。

市町村介護保険事業計画

市町村は、介護保険制度を円滑に運営するために、市町村介護保険事業計画という計画を3年ごとに作成します。

これは、どの介護サービスをどれだけ提供するか、などについて市町村が計画を定めたものです。

財政に関すること

市町村は、介護保険制度を運営するにあたり、特別会計を設置します。

会計には、特別会計、一般会計の2種類がありますが、介護保険事業は、特別会計ということを押さえておきましょう。

また、市町村は、財政安定化基金への拠出も行います。財政安定化基金とは、市町村の財政に困った際に、市町村に対して資金を交付をする機関です。

不測の事態に備え、あらかじめ資金を預けておくようなイメージですね。

介護保険の会計

市町村条例への委任

介護保険においては、以下の事項が条例に委任されています。

  1. 介護認定審査会の委員定数
  2. 区分支給限度基準額の上乗せ部分
  3. 種類支給限度支給限度額
  4. 市町村特別給付
  5. 地域包括支援センターの基準
  6. 第1号被保険者に対する保険料率の算定
  7. 普通徴収についての保険料の納期
  8. 保険料の免税、猶予について
  9. サービス提供事業者(ケアマネ関連、地域密着型サービス)の基準
  10. 地域密着型老人福祉施設の入所定員

条例とは

市町村などの地方公共団体が独自に制定する法規のことです。制定にあたっては、国の法規と整合させる必要があり、その内部でのみ効力を発生します。

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まとめ