【ケアマネ試験対策4】介護保険制度の財政構造について、わかりやすく解説!

この記事では、介護保険制度の財政構造について、わかりやすく解説していきます。

財政構造

介護保険制度の介護給付費の財源は、公費と保険料で構成されています。

公費と保険料は、それぞれ50%ずつの負担となっています。

公費

国、都道府県、市町村が費用を負担します。

それぞれ見ていきましょう。

国は、国庫負担金と調整交付金を負担します。

国庫負担金は、定率ですべての保険者に一律に交付されるのに対し、調整交付金は、各市町村ごとの状況を考慮して保険者ごとに調整されて交付されます。

調整交付金は、普通調整交付金と特別調整交付金の2種類があります。

普通調整交付金は、各市町村ごとの後期高齢者の割合と第1号被保険者の所得格差により調整され、特別調整交付金は、災害の際の保険料の減免などの特別な事情を考慮して調整されます。

都道府県、市町村

都道府県及び市町村の負担は、定率です。

なお、保険者である市町村は、介護保険に関わる事務の費用を全額負担します。

保険料

保険料は、第1号被保険者からの保険料と第2号被保険者からの保険料からなります。

それぞれの保険料の割合は、一人当たりの平均保険料が同じ水準となるよう、被保険者の人口比率により定められています。

これは、3年ごとに見直され、「介護保険の国庫負担金の算定等に関する政令」

で定められているのです。

第1号被保険料

保険料の額

第1号の被保険料は、政令で定める基準に従い、各市町村が条例により保険料率を定めます。

そして、被保険者の所得段階に応じて、保険料率に対して一定割合をかけることで、保険料の額が決定します(所得段階別定額保険料)。

所得段階別定額保険料は、第1〜13段階までとされていますが、市町村の条例により段階をさらに細分化することや保険料を変更することができるのです。

保険料の徴収方法

第1号保険料の徴収方法には、普通徴収と特別徴収の2種類があります。

普通徴収

 対象者 :年金収入が年額18万以下

 徴収方法:納付書を送付し徴収

 備考  :原則的に本人が納付。世帯主、配偶者に連帯納付義務あり。 

✔ 特別徴収

対象者 :年金収入が年額18万以上

徴収方法:年金からの天引き

備考  :年金保険者が徴収し、市町村へ納付

保険料の滞納

被保険者が保険料を滞納した場合、滞納期間などに応じて、以下のように措置がなされます。            

✔ 1年以上の滞納

・現物給付化がなくなり、償還払いに変更

✔ 1年6ヶ月以上の滞納

・保険給付の全部あるいは、一部の一時的な差し止め

・保険料の滞納分が保険給付化されなくなる

なお、要介護認定以前の滞納保険料が時効(2年)で消滅している場合、被保険者が保険給付を受けることになったとき、消滅した期間に応じて、保険給付割合が減額されます。

保険料の減免

災害などの特別な事情がある場合、市町村の条例により保険料の減免や徴収猶予を与えることも可能です。

財政安定化基金

市町村の介護保険財政の安定化を図るために、財政安定化基金が各都道府県に設置されています。

基金の財源は、国、都道府県、市町村が3分の1ずつを負担し、以下のような不足の事態に応じ、市町村に対して資金の交付、貸付を行います。

  • 保険料未納による収入不足に対する資金は、1/2を交付、1/2を貸付
  • 見込み以上の給付費の増大に対する資金は、全額が貸付

なお、貸付を受けた市町村は、第1号被保険料を財源として、3年間の分割で返済を行います。

期限までの間の利子はかかりません。

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まとめ